2026年1月・2月の展覧会
浅野絵里「かすかな顕在」
本展では、浅野絵理による水性木版画の大作を中心に、紙の表面を隆起させ陰影によって像を立ち上げる作品や、壁面に鉛筆で直接描画する新作を展示します。
本展では、水性木版画の大作を中心に、紙の表面を隆起させ陰影によってイメージを浮かび上がらせる作品や、直接壁面に鉛筆で描画する新作を展示します。
いずれの作品も、あらかじめ決めた一つの描き方・彫り方を繰り返すことで生まれる形や表情を見せる手法をとっています。点や線が色となり、形となり、空間となる。点を繰り返し描くだけでも、人は何かを見出します。こうした絵画における根本的な要素に向き合い、普遍的な感じ方や見え方を再考しながら制作を続けています。
木版画では和紙に薄墨を用いることで、摺りでありながら版木の印象とは全く異なるやわらかなイメージが生まれます。淡い画面は、一見ほぼ白く見えますが、向き合っているとイメージが鮮明に立ち現れてきます。この視覚に、私は信頼感と不信感を同時に抱きます。そして自身が捉えていた作品の実体も揺らいできます。
物体としてそこに在る作品と、それを受け取る自身の感覚。それぞれの確かさと不確かさが交錯するような場となるよう試みます。
(浅野 絵理)
浅野絵理「かすかな顕在」
現存する製作年が明らかな最古の印刷物である百万塔陀羅尼。木版画は祈りから始まる。
『漁夫』は創作版画の起点となり、作者山本鼎は刀画とした。
腐蝕銅版画を手にする私には木版画に憧憬がある。
木版画のイメージはどこに起因し、宿り、移り、映りゆくのか
薄墨の微細な粒子は刀によって彫り込まれた板目の凹凸に沿って淀み、和紙に含まれ
る水分を辿り表層と繊維のあわいへと居所をもとめ、刹那の時を纏い、定着し内包さ
れる。反復の連鎖によって刻まれた刀の記憶は和紙に残響のレリーフとして留まり、
浅野の消息となって木版画を形作ってゆく。
湖水の闇底にある起伏/煌めく水面に映る風影、あざやかの構図
木版画と共にホワイトキューブに宿される鉛筆粉の粒子による点と線、紙に刃で施さ
れた無数の点の隆起によって立ち現れる陰と影が、一つの事として、かすかな顕在を
観る者に語り、あるいは、黙することで、泡沫の、歓喜の詩となる
腐蝕銅版画家 井出創太郎
【会 期】 2026年3月8日(日)~3月28日(土)※月曜・火曜休廊
【開廊時間】 12時00分~19時00分
【入 館】 無料
【会 場】 愛知県立芸術大学 サテライトギャラリー SA・KURA
〒461-0005 愛知県名古屋市東区東桜1-9-19 成田栄ビル地下1階
【お問合せ】 愛知県立芸術大学 芸術情報・広報課 ℡.0561-76-287