2025年12月・2026年1月の展覧会
須貝旭個展「落葉紗」
時間とともに銀箔が錆び、写真の感光剤が色褪せ、画面上のイメージが少しずつ変化していく。それは時間の経過を可視化する装置でもある。
《RACVYOXO》は、長崎県南島原市でのリサーチをもとに制作した作品である。この地ではおよそ430年前、宣教師によって日本で初の西洋式活版印刷機が持ち込まれ、書物が刊行されたという。外国人宣教師が日本語を学ぶために、また日本人がポルトガル語に触れるために、さまざまな辞書が編まれた。『落葉集』と『日葡辞書』はその系譜を汲む書物である。
辞書は異なる言語をつなぐ道具とも考えられるだろう。ことばを文字として残すことで、私たちは過去のひとびとの思考を辿り、自らの痕跡を未来へ伝えることができる。しかし、ことばの意味は時代とともに少しずつ変化もしていく。
今回、これらの辞書から抜き出した文字に、現地で撮影した風景を重ねることで、書物に残る過去の記録と自身が滞在した現在の記憶を一つの画面に照らし合わせることを試みた。移ろうことばの意味をのせて文字が時代を伝えるように、作品もまた少しずつ姿を変えながら、未来へと手渡されていく。
須貝旭
■開催概要
【期 間】 2025年12月20日(土)~2026年1月18日(日)
月曜・火曜休廊・年末年始(12/27₋1/6)冬季休廊
※祝日の場合は開廊、翌平日休廊
1月12日(月・振休)開廊・1月13日(火)・1月6日(水)休廊
【開廊時間】 12時00分~19時00分
【入 館】 無料
【会 場】 愛知県立芸術大学 サテライトギャラリー SA・KURA
〒461-0005 愛知県名古屋市東区東桜1-9-19 成田栄ビル地下1階
【お問合せ】 愛知県立芸術大学 芸術情報・広報課 ℡.0561-76-2873
【トークイベント】
日時: 2025年12月20日(土)17:00開始
塚本麻莉(高知県立美術館 主任学芸員)× 須貝旭
会場: 愛知県立芸術大学 サテライトギャラリーSA・KURA
(愛知県名古屋市東区東桜1-9-19 成田栄ビル地下1階)
主催:愛知県公立大学法人 愛知県立芸術大学
助成:公益財団法人 あいちFG教育文化財団
公益財団法人 野村財団
協力:南島原市 アートビレッジ・シラキノ