2025年10月・11月の展覧会
手塚好江個展「In/Out-between」
このたび、サテライトギャラリーSA・KURA において、本学大学院美術研究科油画・版画領域の修了生、手塚好江個展「In/Out-between」を開催いたします。
■開催概要
【期 間】 2025年10月25日(土)~11月16日(日)
月曜・火曜休廊
※祝日の場合は開廊、翌平日休廊
11月3日(月・祝)開廊・11月4日(火)・5日(水)休廊
【開廊時間】 12時00分~19時00分
【入 館】 無料
【会 場】 愛知県立芸術大学 サテライトギャラリー SA・KURA
〒461-0005 愛知県名古屋市東区東桜1-9-19 成田栄ビル地下1階
【お問合せ】 愛知県立芸術大学 芸術情報・広報課 ℡.0561-76-2873
【イベント】ギャラリートーク「絵画層の裏表」
ゲストトーカー:秋庭史典(美学芸術学・名古屋大学教授)
モデレーター︓倉地比沙支(版表現家・本学教授)
日時|2025年10月25日㈯ 14時~
絵と土の時間
画家とは自分の絵に最初に驚く人のこと、という言葉があります(アラン)。その驚きが見る人にも伝わることで、他には代え難い体験が生まれます。先日手塚さんとお会いしたとき、自作について、自分で埋めたことさえ忘れていたタイムカプセルを発掘したときに似た驚きを感じる、とお話しされました。その驚きが見るわたしたちにも伝わります。動かないはずの絵画のなかに時間が流れ、完了していたはずのときが再び動き出す。過去と未来の自在な往復を可能にする装としての絵画です。わたしはそれが、手塚さんの好きな土いじり(soil-care という言葉があります)から生まれてきたもののように感じられてなりません。一見動かない土のなかでは、微生物から目に見える虫、そして植物に至るまで、さまざまな生き物がそれぞれのペースで多重な時間を生きています。それらと相互作用するなかで土も変化しますが、そうした土たちと向かい合うとき、人もまた自分とは違うさまざまな時間の流れを思い遣りつつ、多層的な現在を生きることになります。手塚さんの絵は、自然とのそうした関わりにもつながる、広い射程をもつように思われるのです。それを見る私たちも、そこに参加する喜びや驚きを味わうことができるでしょう。
秋庭史典(名古屋大学大学院情報学研究科)